相席居酒屋へバリキャリ2名が押しかけてみた、今回の大人社会化見学。
第一回、第二回はこちら!
第2回では理系男子があまりにアレすぎて一触即発! このまま帰ろうかと思い始めた私たちですが、ここでいいモノを見つけました。男性陣のサイドバッグからはみ出るそれは、どう見てもランニングシューズ!
皇居ランが流行り始めた頃、同時に注目を浴びたランニングシューズ。初心者向けからアスリートまで、多岐に渡るフォームはコレクター魂を誘います。(参考:アディダス ランニングシューズのページ)私も2足ほど持っていますが、クッションとバネの力で空へ向かって跳ぶように走れる爽快感がたまりません。これぞ「共通の趣味」!?
友人「あ! それランニングシューズですね! 運動されてるんですか?」
先、越された。
恋愛敗者、盛り上がりを見守るトーテムポールになる
友人「実は私も走ってるんですよ!」
友人も10kmランナー、それなりにいいランニングシューズを持っていました。共通の話題を見つけてにわかに盛り上がる男性たち。
男性1「いいですね! 僕はランニングもするけど、メインはトライアスロンなんですよ!」
友人「すごい! じゃあ自転車もかなりこだわりあるんですか?」
男性2「僕はトライアスロンはさすがに付いて行けないですけど、ハーフマラソンなら今度応募してますよ」
友人「あ! 私も同じやつエントリーしようか悩みました~!」
あかん、完全にアウェーとなった。一度会話の輪から外れたら、復帰する方法は2つしかありません。ひとつは、ウザがられるの覚悟で乗っかること。もうひとつは、みんなを見守る守護神となって透明な自己を保つこと……。
決めた、私はこの恋愛を見守る地母神、トーテムポールになる。
ここは彼女の出会いに期待しよう! と、サポート役に徹する戦略を取ります。ビールを取ってきたり、ビュッフェ形式のご飯をよそっておきます。頑張れ友人!
友人「ランニングシューズ、アディダスなんですね! 私もアディダス好きなんです~」
男性1「でも、そこまで走るの好きってワケでもなくて、シューズはPUMAの方が好きなんだよね」
友人「あ、そうなんですね……」
だから男性陣よ、なぜそこで否定してしまうのだ。場を盛り上げるためなら、ランニングもアディダス好きでも何でもいいでしょうがァァァァァアッ!!!!
トーテムポールは激怒しましたが、彼らの視界には入りませんでした。
LINEをめぐる攻防
「そろそろ帰らないとじゃない?」
と言い出したのは男性陣。帰りの合図を言い出すのが男性な時点で、正直この相席居酒屋合コン、負けでございます。女性の終電を逃させたいなんて微塵も思わなかったということですから。それに、われわれも無理やりランニングの話題で盛り上げたものの、そのほかの話題で沈黙が続くわ否定が続くわで、「正直ない」というのが感想でした。
私「分かりました、お会計しましょう!」
とはいえ、相席居酒屋は女性が無料というルール、お会計をするのは男性だけです。できればこの隙に逃げたい走りたい帰りたい!
男性「あ、帰る前にLINEの交換だけでも」
ここまで盛り下がっておいて、なんでLINE交換したいんだろう。私には男心が判りません。絶対に2人そろって連絡先を交換するのは、ない。私か友人、どちらかが犠牲になるしかあるまい。ちらりと友人を見つめると、小動物みたいな目でふるふるとこちらを見つめています。あー、友人からのテレパシーが受信できました。「私にLINE交換させないで、お願い交換させないで」
YES、君の心の声は聞こえたぞ、確かに。
私「あ、じゃあ私がまとめて交換します~~! 後でグループLINE作るんで!」
相手に二の句を継がせまいと、超スピードで連絡先を交換してから、お会計の列をすり抜けるようにして帰宅しました。LINEには社交辞令のありがとうを送っていますが、その後グループチャットは未成立! むり!
実はハイスペだった疑惑
こうしてボロボロになりながら相席居酒屋を後にしたわれわれ。
後日友人主催のパーティで「そういえば、相席居酒屋行ったんだよね」とネタにしてみました。行ったことない女子は興味津々。どうだった!? の声をため息交じりで否定します。
私「いまいちだったよ。何を言っても男性陣に否定されるし、そうでなければ沈黙ばかりで全然話も振ってもらえなくてさ」
女子「そうなんだ、残念だね~! 相手のご職業は?」
私「何か理系の研究職って言ってたけど、研究の話もあまりしてもらえな」 女子「「「それすっごいじゃん!!」」」 私の声を遮る、大合唱が女子から巻き起こりました。
女子1「えっ、それって研究職でしょ? 安定職でしかもエリートってことでしょ?」
女子2「なかなか出会えない高給取りの理系男子に2人も出会ったってことでしょ!?」
私「まあ、そうだけど、でも話がつまらな 女子「「そんなことどうだっていいじゃん!」」
ど、どうだっていいのか。
安定研究職の理系男子たちよ、散々ディスってごめんなさい。どうやらあなたたち、婚活市場でモテモテなハイスペック男子だったようでございます。相手の女が悪かったな。アディオス!
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