出典:武内直子(1992年)美少女戦士セーラームーン 講談社
こんにちは、トイアンナです。あの名言を英語でもう1度……これまで男性向け漫画を中心に紹介してきましたが、そろそろ伝説の少女マンガに触れておきましょう。『美少女戦士セーラームーン』は累計発行部数1,200万部、1992年に漫画化されてから複数回にわたってアニメ化され、なんと現在もアニメ化進行中というとんでもない作品です。
この漫画が世に出るまで、アニメの女の子が担っていたのは「男性に守ってもらう」役割でした。『風の谷のナウシカ』など映画ではすでに「戦うヒロイン」が存在していましたが、マンガ・アニメの王道はまだまだ男性主導。
ところが、『美少女戦士セーラームーン』が登場してから、世界は一変しました。女子高生3人が魔法世界を救う『魔法騎士レイアース』や、男性をお供にしながら悪霊と戦う『GS美神 極楽大作戦!!』など、積極的に戦うヒロインが登場したのです。これらの作品が『美少女戦士セーラームーン』と直接関連があったわけではないにせよ、戦う女性モノの皮切りを担ったと言えるでしょう。
出典:美少女戦士セーラームーン20周年プロジェクト公式サイト
さて、今回はせっかくなので全セーラー戦士の決め台詞を、超訳でお届けしたいと思います。本シリーズの中で一番、超訳英語の難易度が高い! なにせセーラームーンの変身セリフ「ムーン・プリズムパワー・メイク・アップ!」なんて直訳したら「月! 角柱! 力! 化粧!」ですからね……。
なお、決め台詞はアニメと原作で異なるのですが、より有名なアニメ版で直訳することをお許しください。
内部太陽系戦士 決め台詞
セーラームーンをよく知らない人は置いてけぼりになって申し訳ないのですが、最初に出てきた5人のセーラー戦士を「内部太陽系戦士」と呼びます。具体的にはこの5人です。
・セーラームーン
・セーラーマーキュリー
・セーラーマーズ
・セーラージュピター
・セーラーヴィーナス
何度見ても月を担当しているセーラームーンが一番格下に見えますが……? 大人の事情はスルーして決め台詞、行ってみましょう!
○ セーラームーン
「愛と正義の、セーラー服美少女戦士、セーラームーン! 月に代わって、お仕置きよ!」
I am Sailor Moon, the pretty guardian of love and justice! I shall beat you on behalf of the moon!
on behalf of (~に代わって)をこの文法で学んでください。また、I will beat you ではなくI shall beat youと書くことよって「~しますからね」という意思を表すことができます。
○ セーラーマーキュリー
「水でもかぶって反省しなさい!」
Think what you did after my water splashed!
水でもかぶって……という単語が反省と何の関係性も英語ではないので「私の水を浴びながら、何が悪かったか考えなさい!」と直訳気味の英語で。
○ セーラーマーズ
「火星に代わって折檻よ!」
I shall punish you on behalf of the Mars!
セーラームーンのときは「beat(殴る、攻撃する)」という単語を使いましたが、折檻はより強い意味があるので punish(罰する)という言葉遣いに。なお原作では「ハイヒールでおしおきよ!」と一部男性が喜んでしまいそうな決め台詞だったのですが、大人の事情により変更が生まれたそうです。
○ セーラージュピター
「しびれるくらい後悔させるよ!」
You’ll be sorry after you get numbed by the thunderbolt!
you’ll be sorry は「後悔するぞ」という意味。実は sorryには「後悔する」という意味があるのでこの例文で覚えちゃいましょう。get numbed(しびれて麻痺する)という単語も意外とよく使います。
セーラージュピターは決め台詞で冷遇されることが多く、このセリフ自体全くアニメで聞かれなかったことから、私のようなジュピターファンはこの声が聞けるだけで狂喜乱舞したものでした。
○ セーラーヴィーナス
「愛の天罰、落とさせて頂きます!」
I shall drop the divine punishment of love!
divine punishment(天罰)なんて単語、ここでしか覚えられないのでこのまま暗記してください。shallは丁寧な「~しますよ」という意味が含まれるので「落とさせて頂きます」にはちょうどいい表現です。
終わりに、終わりに?
ここまで、5大戦士の決めセリフを振り返りながら、超訳英語でお届けしてまいりました。『美少女戦士セーラームーン』ではpunishment(罰)や divine(天の、聖なる)といった普段は覚えられない単語が続々登場するため、英語を学ぶにはチャンスかもしれません。ぜひ、この機会に英語へ取り組んでみてください。
ところで、決め台詞で1人忘れていませんか?
タキシード仮面様、決め台詞が実はあるんです。
タキシード・ラ・スモーキング・ボンバー
直訳してみましょう。
Tuxedo la Smoking Bomber!(タキシード、ケムリ爆弾!)
何これショボッ……。
おそまつ!